ザッキアイ

雑記愛、愛せるモノの紹介や趣味についてのブログです

竜とそばかすの姫 小説版感想 映画の予習になるかも

f:id:wamomoto:20210606131546p:plain

 

竜とそばかすの姫 (著) 細田 守

 

こんにちは、ワモモトです。

 

2021年7月 細田監督の映画『竜とそばかすの姫』が公開されます。
先駆けて小説版が発売されましたので読んでみました。

 

『サマーウォーズ小説版』とは違って監督自らの書下ろしなので、登場人物の心情など間違いなく表現されていると思います。
映画を観る前に読んだとしても、先入観に惑わされることはないでしょう。

 

ここからはネタバレしないように書きますが、情報を入れたくない方は、ご注意ください。

感想を一言で書くと「わたしはぜひ映画を観に行こうと思いました」となります。

 

 

 

f:id:wamomoto:20210627055319j:plain

 

あらすじを少し

 

インターネット上の超巨大仮想現実都市『U』。

《さあ、もうひとりのあなたを生きよう》

そこには50億以上のアカウントがあり、まだ拡大中です。
だれでも参加できますが、アカウントはひとりに1つのみです。
As(アバターのこと)は生体情報を読み取って自動的に生成されます。

 

『U』にはその人の隠された能力を引っ張り出す力があります。

 

主人公は高知県に住む女子高生「すず」。
歌や作曲が大好きでしたが、母親を事故で亡くしてから歌えなくなりました。
親友に誘われて『U』に参加した「すず」は、『U』の中では「ベル」として歌えるようになります

 

歌姫として大人気になった「ベル」のコンサートの日、「竜」と呼ばれるモンスター型のAsがあらわれ、コンサートをめちゃくちゃにして去っていきます。

 

高校生の日常、幼なじみのしのぶくんへの思いや友人との恋バナ、父親との関係、SNSでのトラブル。
現実世界の出来事と交互にお話は進んでいきます。

 

傷ついた体を持ち、乱暴で嫌われ者の「竜」ですが、「ベル」の歌声でふたりは心を通わせていきます。
自警団「ジャスティス」が暗躍し、「竜」の正体探しが始まりますが、、、

 

感想

 

 音楽が楽しみ

 

あたりまえですが歌のパートは歌詞のみなので、音を想像しながら読みました、空想が広がっていきます。
「すず」は高校生なので、きどった言い回しもないですが、まっすぐ語り掛けてくるような歌詞です。
(『U』上では多言語の字幕がつくそうですよ。)
メロディーと歌声を早く聞きたいと思わされます。


高知で「すず」が参加している聖歌隊の方々の歌も楽しみです。
歌えないのに聖歌隊に参加している「すず」、歌うことをあきらめてないんだなといじらしいです。


「竜」の正体探し

 

映画の情報量は、目と耳から入るものすべてなので圧倒的です。
小説版だと必要な情報に絞って書かないといけないので、このあたりに書いてあるなと見当をつけやすいです。

ミスリードもありますが、その情報も後で生きてきますので、なるほどと思わされます。

 

「竜」の抱える問題は、閉そく感のある現代に、身近にあるかもしれないことです。
人に手を差し伸べるとはどういうことか

「すず」の行動には、大人のわたしにもハッとさせられました。

 

ネットリテラシー

 

SNS上のトラブル、誹謗中傷についても考えさせられます。
ネットリテラシーは最近盛んに言われていますが、インターネットを正しく使いこなすための知識や能力だそうです。

 

一昔前はネチケットなどと言われていて、もう少し道徳的な意味合いで使われていたと思います。

匿名に甘えず、対面と同じ慎重さをもってインターネットに向き合う必要性がある、、、
言うのは簡単だけど、実際できているのかなと、誰かを傷つけていないかなと、振り返るきっかけになりました。

 

《さあ、もうひとりのあなたを生きよう》

 

『U』の中でも、もう一人のわたしであって他人ではないと書かれています。
「仮想世界でも、わたしはわたし」こんな風に考えていきたいと思いました。


その他の雑多な感想

 

  • 「すず」の成長物語ですが、周りのみんなが影響されて変わっていく、群像劇としても面白いです。 

 

  • 自分がAsになったらどんな風にスキャンされるんだろうって考えると楽しいです。ワモンアザラシかウサギがいいですけど、、、特に隠された能力とかないし、、、

 

  • 小説版の出だしは二人称ですが、すぐに「すず」の一人称に代わりますので苦手な人も安心してください。

 

  • 「サマーウォーズ」はインターネットの未来へのわくわく感や、大家族のわちゃわちゃ感があって楽しかったです。今作は社会の問題点を考える作品になっています。「音楽がキーワードのサマーウォーズ」だと思って読み始めたら、いろいろ考えさせられました。

 


映画に興味のあるかたは読んでみてはいかかでしょうか。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。